
経緯・課題
対象企業は、郊外に拠点を構える地元密着型の中小企業であり、地域に根差した事業展開を強みとしています。従来はフルタイム勤務を前提とした正社員採用を中心に行っていましたが、少子高齢化や都市部への人材流出の影響もあり、特に若年層かつ将来の事業を担うリーダーとなる人材の確保に課題を抱えていました。
求人票において「時短勤務相談可」と記載するなど、採用間口の拡大には取り組んでいたものの、応募者の多くは時短に魅力を感じ、勤務条件を優先する傾向にあり、企業側が求める将来の幹部候補層とのマッチングには至っていないという状況でした。加えて、社風として変化やスピードを重視する一方、情報共有の仕組みが未整備な点もあり、過去の採用事例や成功体験からもフルタイムを優先した選考・採用となっており、採用プロセスの柔軟性にも課題があることが浮き彫りとなっていました。
支援内容
1.採用ポジションの詳細把握と業務切り出し支援
業務の本質的な課題把握
フルタイムの幹部候補採用を主目的としながら、各職種の業務内容の詳細聞き取りを実施しました。また従業員の年齢構成や採用ルート、高いパフォーマンスを発揮している社員の特性の把握、社内環境の視察等を行いました。
業務の分析支援から短時間勤務求人の創出
業務の中から「将来的幹部候補が行うべきコア業務」と「専門知識不要で短時間勤務者も対応可能なノンコア業務」に分類しました。支援員のコンサルティングにより分類した業務から、新たに短時間勤務者向けの職種創出を支援し、将来幹部候補が行うべきコア業務の求人と、ノンコア業務としてライフスタイルに合わせた働き方・勤務形態を希望する近隣求職者向け業務の求人化を実施しました。
2.求人票の改善支援
ターゲットの明確化
地域住民の子育て世代の女性を主たるターゲットと想定し、求職行動の傾向を踏まえ、求人情報の掲載手法とコンテンツの方向性を具体化。
WEB求人ページの改善
WEBサイトの入り口となる企業独自の求人ページ制作、および求人検索サイトと紐づけることで、多くの閲覧・エントリーが期待できる支援を実施。
WEBサイト掲載内容の支援
ターゲット層に見てもらう求人ページとなるよう、実際に働かれている女性従業員の画像や、勤務時間を短時間のみとして掲載する等の具体的なアドバイスを実施。
3.支援結果・効果
短時間求人の作成、および自社採用サイトの制作と運用を一括管理するためのツールを利用して募集を開始、合わせて求人検索エンジンと連携することで掲載5日目で1名の応募を獲得しました。